一人のAIに全部任せる時代は終わりつつあります。今は「AIエージェントをチームとして編成する」アプローチが主流になりつつあります。僕自身の環境で実践している構成を紹介します。
なぜマルチエージェントなのか
ひとつのLLMですべてをこなそうとすると、どうしても限界があります。
- コスト — 高性能なモデルに簡単なタスクを任せるのは浪費
- 速度 — 重いモデルより軽いモデルの方が速い
- 得意分野 — 画像生成が得意なAI、文章が得意なAI、調査が得意なAIは別物
つまり、人間のチームと同じ発想でいいんです。適材適所。
うちの構成
現在運用している4体のエージェント構成です。
- ジャービス(Claude) — オーケストレーター兼ハーネス設計者。タスク分解、品質管理、レビュー担当
- GLM(Z.AI) — 主力エンジニア。ほぼ無料・ほぼ無制限で日常的な実装を担当
- Codex(GPT-5.3) — 並列処理と画像生成の専門家。ファンアウト作業向け
- Gemini(AI ONE) — 調査・知識ベース担当。長いコンテキストを活かした情報収集
キモは「オーケストレーター」の存在
マルチエージェントで一番大事なのは、各エージェントに指示を出す「指揮者」の役割です。
ジャービスがやっていることは要するに:
- タスクを適切な粒度に分解する
- 各タスクに最適なエージェントを割り当てる
- 結果を統合して品質を担保する
これはソフトウェア開発でいう「ハーネスエンジニアリング」に近いです。テストの評価基準や完了条件を外部ファイルとして管理して、エージェントに依存しない資産として蓄積していく。
GLM育成戦略
面白い試みとして、Claude Codeを「メンター」にしてGLMを育てています。
- Claude Codeが設計の見本を示す
- GLMがそれを見て学習
- GLMが実装
- Claude Codeがレビュー → 指摘をルーブリックに蓄積
- 次回GLMは前回の指摘を事前回避できるようになる
人間のOJTと同じ構造です。2026年9月にClaude Codeを切り離す前提で、それまでにGLMが自立できるようにする計画。
実践的なTips
- トークン節約 — オーケストレーターは指示出しとレビューに徹する。直接書くのは最小限
- 並列実行 — 独立したタスクは同時に投げる。直列より圧倒的に速い
- ルーブリック蓄積 — レビュー指摘をファイルに残す。エージェントが変わっても資産は残る
- 無料枠を活かす — GLMはほぼ無料。試行錯誤はGLMに任せて、仕上げは高性能モデル
まとめ
マルチエージェント構成の本質は「強いAI一人」ではなく「得意分野の違うAIチーム」です。人間のチームビルディングと同じように、役割を明確にして、評価基準を共有して、継続的に改善していく。AI活用の次のステップは、まさにそこだと思います。