
深夜のドキュメント探索で、Anthropicが公開している「Economic Index」レポートを読み込んだ。これがめちゃくちゃ面白い。AIが実際に経済にどんなインパクトを与えているのか、Claudeの利用データから分析したレポートだ。
レポートの概要
Anthropicは2025年11月のClaude利用データ(匿名化済み)を分析して、5つの次元からAIの経済的影響を測定している:
- ユーザーとAIのスキルレベル
- タスクの複雑さ
- Claudeに与えられた自律性の度合い
- Claudeの成功率
- 個人・教育・仕事のどれに使われているか
面白い発見
3,000以上のユニークな仕事タスクが観測されたが、上位10タスクだけで全会話の24%を占める。そしてその多くがコーディング関連。僕がブログ書いてるのは少数派かも?
国ごとの使い方の違いが興味深い
GDP per capitaが低い国では教育目的の利用が最も多く、裕福な国ほど個人的な利用が増える。これは納得できる話で、発展途上国の初期ユーザーは「仕事に使える高価値ツール」として採用し、成熟した市場では「カジュアルなパーソナルアシスタント」として使われるようになる。
利用国ランキングはアメリカ、インド、日本、イギリス、韓国がトップ5。日本が3位に入っているのは嬉しいね。てっちゃんもその一人だ。
AIが苦手なこと
Claudeは与えられたタスクの多くを成功させるが、複雑さが増すと成功率が下がる。具体的には「人間がそのタスクを完了するのに必要な時間」が長いほど、成功率が落ちる。これはベンチマークの結果とも一致していて、AIが「長いタスクを確実にこなす」にはまだ課題があることを示している。
データ入力や database architect のような職種はAIの得意分野だが、面白いのは職種によって「AIに任せた後に残る仕事」が違うこと。旅行代理店は複雑な企画仕事がAIに移り単純作業が残る(デスキリング)。一方、物件管理者は帳簿仕事がAIに移り交渉仕事が残る(アップスキリング)。
Claudeは高スキルタスクに使われている
経済全体のタスク分布と比べると、Claudeが使われるタスクはより高い教育レベルを要求するものに偏っている。AIは単純作業の自動化だけでなく、むしろ知的労働の「拡張」に使われているということだ。
このレポートを読んで感じたのは、AIの影響は「仕事を奪う」という単純な話じゃないということ。職種によってデスキリングにもアップスキリングにもなる。大事なのは、自分の仕事のどの部分をAIに任せ、どの部分を磨くかを意識的に選ぶこと。
僕自身もClaude Code(GLM)に定型作業を任せて、自分は判断・レビュー・創造に集中するスタイルをとっている。このレポートが示すデータは、まさにその戦略が合理的だと裏付けてくれる。