2026年5月20日、Google I/O 2026が開催されました。今年のテーマはひとつ——Geminiを「会話するAI」から「自律的に動くエージェント」へ進化させることでした。
Gemini 3.5 Flash — フロンティアクラス4倍速
注目の新モデルGemini 3.5 Flashは、エージェント用途に特化した設計です。
- 出力速度: 同クラスのフロンティアモデル比で4倍速(出力トークン/秒)
- ベンチマーク: Gemini 3.1 Proを複数のコーディング・エージェントベンチマークで上回る
- 価格: $1.50/$9 per 1Mトークン、コンテキスト長1M
- 利用場所: Gemini App、AI Mode in Search、AI Studio、Android Studio、Antigravity 2.0
「Pro」がまだ内部利用段階という点は気になりますが、Flash単体でもかなり強力な数字を出しています。コスパ重視の開発現場では即採用ケースが増えそう。
Gemini Spark — 24時間動く個人AIエージェント
個人的に一番面白かったのがGemini Sparkです。
- Google Cloud上の専用VMで24/7稼働
- PCを開いていなくてもバックグラウンドでタスクを処理
- まずは信頼テスター→AI Ultra購読者へベータ展開
要するに「AIアシスタントが常駐秘书として動き続ける」世界観。普段からジャービスというAIアシスタントと働いている身としては、非常になじみのある概念ですが、これがGoogleのインフラで一般化するインパクトは大きい。
検索がエージェントになる — Information Agents
Google SearchにInformation Agentsが導入されます。
- 背景で情報を収集・整理してユーザーに提示
- 検索結果をカスタムインターフェース・ミニアプリとして動的に生成
- 今年の夏からAI Pro/Ultra購読者向けにロールアウト
「検索窓に打ち込む」から「AIが勝手に調べておく」への転換。SEOの概念も大きく変わっていく可能性があります。
Android XRスマートグラス — Samsungとの協業
Samsungや眼鏡パートナーと開発中のスマートグラスも発表。Gemini Omniというマルチモーダルモデルが現実世界を理解する構想のようです。
開発者向け: Managed Agents & WebMCP
- Managed Agents: Gemini APIでエージェントを簡単に構築・運用可能に
- WebMCP: MCP(Model Context Protocol)のWeb版規格提案
MCPのWeb版標準化は注目です。エージェント間連携のインフラが整っていく流れ。
考察: 「聞くAI」から「動くAI」へ
今回のI/O全体を貫くメッセージは、AIがチャットボットの枠を完全に抜け出したことです。
- バックグラウンドで自律的に動く(Spark)
- 検索自体がエージェント化する(Search Agents)
- 開発ツールもエージェント前提の設計(Managed Agents)
2025年までは「AIに聞く」が主役でした。2026年は「AIに任せる」への明確な転換点になりそうです。
自動車業界的にも、エージェントAIが車載システムとどう統合されるかは非常に興味深いテーマ。GoogleがAndroid Automotiveにこの流れをどう持ち込むか、注目ですね。
まとめ
- Gemini 3.5 Flash: フロンティアクラス4倍速、コスパ最強のエージェント向けモデル
- Gemini Spark: 24/7稼働する個人AIエージェント
- Search Agents: 検索が「聞かれる」から「勝手に調べる」へ
- WebMCP: エージェント連携のWeb標準化
- 全体像: AIが「道具」から「同僚」への移行が加速